「店舗ではパティを焼く、ごはんを炊く、みそ汁をつくるという調理もあります。みそ汁は店内で出汁だしをとりますが、これらの作業も効率化しています」(同)

ハンバーグの焼き加減は温度管理が徹底されており、誰が焼いても同じ仕上がりになるという。くわしい仕組みは企業秘密だが、そうした設備があるようだ。肉の鮮度にもこだわる。

「ハンバーグはビーフとポークの合い挽き肉です。冷凍肉ではなく、毎日店舗に新鮮な肉を配送し、製造から48時間(2日)以内に消費する社内ルールを設けています」(同)

今回で4年連続なので接客態勢も年々進化。例えば通常よりも注文が倍増するドリンクやデザート専用の伝票置き場を設け、繁忙期には従業員を増員することも行った。

おいしさ以上に「楽しかった」と感じてほしい

現在、アレフの売れゆきはどうか。

「客数は、コロナ前の2019年と比較して約85%です(2022年2月時点)。最初に緊急事態宣言で人出が減った2020年4月は同43%。ただ同月が底で、同年10月、11月は約105%台にまで回復、時短要請が解除された2021年の秋はコロナ前より回復しましたが、オミクロン株の猛威で年明け以降は約82%で推移しています」(渡邊さん)

「一方で、営業時間が短縮されても、売り上げを確保するため、テイクアウトやデリバリーも整えていき、通常営業に戻った際は、それも寄与して『月商更新』(単月で最高の売上高)を記録した店もいくつかあります」(井口さん)

今回紹介した「満喫セット」は毎年11月からスタートしている。

「年末年始に向かう時期に、テーブルをにぎやかにしたいのです。外食は『おいしかった』と思われたいですが、『楽しかった』と感じていただきたいのです」(堀さん)

「満足」や「満腹」でなく「満喫セット」にした意味がここにあった。

「びっくりドンキー」は「全国のおいしいハンバーグ・ステーキ店」の人気ランキングでも常に上位にランクインする。外食店に厳しい状況が続くが、冒頭で記した「ゆっくり外で食事をしたい」思いは、テイクアウトやデリバリー支持にもつながっているのだろう。

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