最初はマンションの一室でセレクト・箱詰め作業をしていた

さらにOEM企業にとって、別のメリットもあります。それが「在庫リスク」や「フードロス」を極力減らせること。

サブスクのサービスであるスナックミーは、利用者の評価によって「翌月、どのおやつを誰にセレクトして送るか」が決まります。つまり、発送よりかなり前の段階で、Aというおやつが何個ぐらい消費(発注)されるかが予測できる。

ゆえに、過剰に生産したり無駄な在庫を抱えたりせずに済むわけです。

もっともサービス開始当初は、スナックミーの社内で8種類のおやつを「セレクト」すること自体に、大きな手間を要したといいます。

なぜなら、当初はユーザー評価を基に「目視」で8種類を選んでいたから。

具体的には、あるマンションの一室(会議室)に全種類のおやつ(ローンチ当初は32種類)をズラリと並べ、スタッフが利用者一人ひとりの評価やフリーアンサーを自分の目で確認しながら「これがいいかな」とセレクトして箱詰めしていたとのこと。

「箱詰めは繊細なので、いまでもスタッフが一つひとつ手で行ないます。ですが、セレクトの工程はその後、独自のレコメンドエンジン開発によって自動化し、精度と効率性を向上させました」と服部さん。

開発にあたって参考にしたのは、あの定額制動画配信サービス「ネットフリックス」だったそうです。

緊急事態宣言から1週間で新サービスをスタート

オツマミ―のサービスのヒントは、マンションのゴミ置き場の中にあった。(写真提供=スナックミー)

また、コロナ禍の20年4月には、先の「オツマミー」のサービスを開始。

最初の緊急事態宣言が発出されてから、わずか1週間程度でスタートさせた理由を、服部さんは「マンションのゴミ捨て場を見たら、ものすごい数のアルコール類の瓶や缶が捨ててあったから」、つまり「家飲み」の需要が目に見えて増えていたからだといいます。