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「やらされ感」の強い人は、与えられた仕事、役割の“解釈の仕方”に問題がある人である。ある仕事を与えられたとき、押しつけられた、強制されたと解釈するのではなく、その仕事の中に自分がチャレンジすべき目標や課題が含まれていると解釈できると、やらされ感を持たずに、主体的に仕事に取り組むことができる。

こうした解釈をするには思考の柔軟性が必要になる。「変化への柔軟性チェック」の設問はそうした柔軟で前向きな発想ができるかどうかを見ている。逆に先の「前例踏襲病」の診断で高いポイントが出た人、つまり権威主義的傾向の強い人には、思考が固い人が多い。また、与えられた仕事を一気にこなそうとするタイプの人も、やらされ感を抱きやすい。反対に、仕事を複数のステップに分けて処理する人は、やらされ感を持ちにくい。富士山に一気に登れと命じられたら誰でも嫌になるが、1合目、2合目と区切りをつけて登っていけば、楽しい登山になるのである。

最後のチェック項目は、あなたの変化への柔軟性を見るものである。変化に弱い人とは保身の気持ちが強い人である。このタイプの人は、一人で生きていく自信を持っていない。だから変化を嫌い抵抗する。彼らは変化が起きなければ、あるいは起こさなければ、同じことを繰り返しているだけで失敗することもなく、生命も維持できると考える。

私は若い頃よく、雨露をしのぐ装備だけを持って、1カ月ほど山に籠もる生活を送った。食料は持参しない。川で魚を釣り、山菜やキノコを採取して食べる。こうしたサバイバル体験が面白かったのだ。そして、こうした経験があるからこそ、私はどんな状況に置かれても一人で生きていく自信がある。というより、世の中には本当に危険なことなどそれほどないということを肌で知っているのだ。