女性が働いて、男性を支えろというわけではありません。お互いが支え合えれば、それぞれの必要性に応じて自分への投資ができるのです。この点からすると、同性間のパートナーシップや結婚も大切です。
45歳定年というのは年齢での制限ですから、ここはもう少し工夫がほしいところです。年齢で働き方を制限するのは多様な働き方と適合性が良くありません。その企業で働き始めてから20年、あるいは25年など期間で区切る方が多様なスキルを持つ人を獲得できるはずです。
日本企業が変えるべき点は明らかだ
最後に、ドラスティックに経営資源をより高い収益率が見込まれる領域に移していくためには、定年制度の改革よりも重要性がはるかに高いものは整理解雇についての規制緩和です。
日本では判例的に整理解雇が難しい状況があります。45歳定年制といった制度は、企業の不採算ビジネスからの撤退障壁を緩やかにはしてくれるものの、柔軟な整理解雇と比べると機動性に欠けます。
45歳定年制の導入や整理解雇への障壁の緩和はすぐに実現できるようなものとは言えません。しかし、変革が必要なポイントは明らかであり、異なるかたちをとったとしてもここにブレークスルーがほしいところです。