約2000人のキャリア相談に乗った「ママ」のアドバイス

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第6位は『45歳からの「やりたくないこと」をやめる勇気』でした。

木下紫乃『45歳からの「やりたくないこと」をやめる勇気』(日経BP)

本書の著者は、企業研修や中高年のキャリアコーチングを行いながら東京で「スナックひきだし」を営んでいる紫乃ママ。3年半の間、会社員や社長から子連れの主婦まで、約2000人が訪れ、紫乃ママに悩みを相談してきました。

本書では、スナックひきだしに来店した10人の悩みと、来店者に対して紫乃ママが贈ったアドバイスが紹介されています。例えば高山加奈子さん(仮名)は、大手金融会社で14年ほど勤務したのち、会社での仕事に楽しみを見いだせず、36歳で独立しました。独立後は幅広く仕事をしているものの、自信の持てるスキルが見つかっておらず、「私は何屋さん?」と悩んでいます。

高山さんに対する紫乃ママのアドバイスは、自分に3種類の「タグ」をつけようというもの。3つのタグは、一番稼いでいる仕事のタグ、「これからお金にしていきたい」と思って取り組んでいることのタグ、本業とはちょっと離れた趣味や好きなことのタグ、という内訳がベストです。「自分ならではの在り方」を3つのタグで表現することで、たくさんの人たちの中で、「記憶にとどめてもらう」「思い出してもらう」「見つけ出してもらう」存在になれるのだといいます。

タイトルには「45歳からの」とありますが、年齢にかかわらず、キャリアで悩んでいる方や転職を考えている方に手に取っていただきたい一冊となっています。

「昼休みの20~30分外出」だけで午後の仕事の効率が上がる

第7位の『今日がもっと楽しくなる行動最適化大全』にもご注目ください。努力しているはずなのにうまくいかない——もしそんな悩みを持っているなら、本書をおすすめします。

樺沢紫苑『今日がもっと楽しくなる行動最適化大全』(KADOKAWA)

本書の著者は、『学びを結果に変えるアウトプット大全』などのベストセラーの著者でもある、精神科医の樺沢紫苑氏。樺沢氏は本書で、脳科学などの観点から、日常のさまざまな行動を最適化するための方法を紹介しています。

「昼休みの最適化」として紹介されるのは、外食ランチです。自分のデスクではなく、別の場所で食事をとるために歩くことで、ドーパミンが分泌され、記憶力や集中力が向上するとされています。

外食が難しいなら、近くの公園などで弁当を食べるのもおすすめです。フィンランドの研究では、1カ月に5時間以上、自然の中で過ごすだけで、ストレスが大幅に軽減され、脳を活性化し、記憶力、創造力、集中力、計画性が向上し、うつ病の予防効果がみられたという報告があります。昼休みに20~30分、公園などで過ごして、自然と接するようにしましょう。リフレッシュでき、午後からの仕事の効率が上がるはずです。

このように本書には、朝、昼、夜など、時間帯ごとにさまざまな行動を最適化するための知識が詰まっています。少しの変化でも、積み重ねれば大きな変化になるもの。一つひとつの行動を最適化して、もっと快適で、効率的で、楽しい生活を送りましょう。