歴史からわかるS&P500の「グロース株」「バリュー株」サイクル

実際、過去10年ほどは、低金利や低インフレがGAFAMなどの業績を後押ししてグロース株の株価が上昇してきました。しかし、今年上半期は、GAFAMの株価よりも金融株やエネルギー株などのバリュー株の上昇が目立っていました。今後、金利の上昇やインフレ率の上昇が明確になってくれば、さらにバリュー株の上昇につながると考えます。

図表2はS&P500のグロース株に連動するETF「SPDRポートフォリオS&P500グロース株式ETF(SPYG)とバリュー株に連動するETF「SPDRポートフォリオS&P500バリュー株式」(SPYV)の値動きを比較したものです。

2001年をゼロとして比較すると、2015年央まではバリュー株がグロース株を上回っていますが、以降はグロース株がバリュー株を上回っていることがわかります。

グロース株とバリュー株のどちらが有利かは、市場環境によって変化します。例えば、インフレ率が高くなると、インフレが行き過ぎないように政府は金利を引き上げて金融の引き締めを行います。そのときにはバリュー株が有利になる傾向があります。

金利が上昇すると銀行は利益を出しやすくなるので金融セクターの株価が上昇します。あるいは、原油価格が上がると、エクソンモービルなどエネルギーセクターの株価が上昇するのです。

またS&P500指数は過去多くの企業の新陳代謝が行われてきました。かつて、エクソンモービルやAT&T、IBM、GEなどの大企業がGAFAMにその座を明け渡したように、の成長が鈍化しても、次の時代のGAFAMのような企業が現れると考えます。