「○○したの?」は信用されていない気分になる
子どものやる気を失わせる親のセリフ②任せたいけれど子どもを信じきれないとき
「○○したの?」
「終わった?」
OKワード
「今どこまで進んだ?」
子どもに任せたい気持ちと不安がないまぜになった言葉です。ずっと横について見ているのは本人のためにならないし、時間的にも難しい。でもちゃんとできているか不安になる、といったときに出てくるのではないかと思います。
ただ、NGワードのような言い方は、信用されていない気がして基本的にはいい気分がするものではありません。すでにできている場合は「ちゃんとやってるのに、そんな言い方するならもうやらない」とやる気を失うことがありますし、できていない場合は痛いところを突かれて腹を立て、不毛な親子げんかにつながったりします。
こういうときは「今どこまで進んだ?」と、進捗を尋ねるニュアンスの問いかけをしてみましょう。終わっていれば「終わったよ」で済みますし、まだやっていない場合も、子どもを追い詰めずに済みます。
ただし、この聞き方は終えてほしい時間ギリギリには使えません。直前だと、結局怒ってやらせるしか方法がなくなってしまいます。親としては、終える時間よりも早めに声をかけてあげられるように、タイミング選びは頑張りたいですね。
人と比べるよりも「できる理由」を渡してあげる
子どものやる気を失わせる親のセリフ③わが子をほかの子と比べて不安になったとき
「○○ちゃんは、できてるよ」
OKワード
「もう少しこうしたら、さらによくなるよ」
「○○ちゃんは、どうしてるのかな?」
「わが子は大丈夫だろうか……」と思ったときに、つい周りを基準にして、ほかの子と比べてしまうというのは、親として当然の心理ですね。
ただ、「○○ちゃんは、できてるよ」と比べられることは、本人にはもちろん何の喜びも生まれませんし、誰かと比べないと自分の価値を見つけられない育ち方にもなりかねません。そうなると人生が苦しいものになっていきます。
親としての願いは「わが子をできるようにしてあげたい」ですから、本人が今できていることに基づいて、「あともう少しこうしたら、さらによくなるよ」という言い方にすればいいのです。本人がもうひと頑張りする理由を渡してあげるのですね。
ほかの子の名前と「できる・できない」がセットになるとまずいのですが、「○○ちゃんはどうしてるのかな?」と、その子から学ぶ意味で名前を引き合いに出すのはOKです。成績のいい友だちに勉強の仕方を聞いてみた子が、友だちのやり方を参考に成績を伸ばしていくということは、しばしば起こります。
子どもはやり方がわかればやるもの。「できる理由」をたくさん渡してあげたいですね。