アプローチを妨げる「恥をかきたくない」という恐怖
結論からいうと、その有意な要因のひとつに「恥の概念」が見いだせました。未既婚ともに、容姿に自信がないほど恥を恐れがちなのですが、容姿に自信のないグループで未既婚を比較すると、特に30~40代にかけて大きな乖離が見られます。容姿に自信のない未婚男性は30~40代で6割以上が恥を恐れますが、既婚男性は逆に30代がもっとも低い値となっています。むしろ30代既婚男性は容姿に自信のある男性より恥を恐れません。
ここでいう「恥」とは恋愛に限定した話ではないですが、恋愛で説明すると分かりやすいと思います。
容姿に自信がないと、告白してもフラれるんじゃないかと恐れます。そこにはフラれる恐怖とともに、恥をかくことへの恐怖も含まれます。そうした恐怖は、人の行動力を抑制します。「どうせ無理なんだから告白なんてやめておこう」と。この行動抑制を招く「恥の概念」こそが、容姿に自信のない男性の「結婚できる/できない」を分ける重要なポイントなのではと考えます。
恋愛強者の男性=イケメンではありません。実は「マメで恥知らずな男」がモテるのです。「恥知らず」とは断られようが、気持ち悪いと思われようが、めげずに行動をし続けるという意味です。もちろん、1人の相手に固執してストーカーになってしまうのは論外ですが、この「恥知らず力」とは決してネガティブな意味ではありません。恥への鈍感力であり、行動のエンジンになります。反対に、恥に敏感すぎる男性は行動力を失うがゆえに、結果としてモテない、になるのです。
渾身の一打席を待つ前に恥を捨てよ
「どうせ失敗するから行動しない」ではなく「失敗して当然なのだからチャレンジしてやろう」。そう思えるのが「恥知らず力」です。容姿に自信がなくても結婚した既婚者は、そこに至るまでに数えきれない数の相手からフラれていたことでしょう。野球の打率にしたら1割打者かもしれません。それでも打席数が多いので結果を得ています。渾身の一打席を目指して、生涯一度も打席に立たないよりは意味があります。
容姿でも仕事でも自信のある人間には結果が伴います。しかし、先に自信ありきではなく、その結果はまず行動あってこその話です。経済力も容姿力も元は行動力なのではないでしょうか。
最後に、「恥を捨てるなら若いうちに」。2019年の人口動態調査によれば、初婚同士の結婚において男性は39歳までで全婚姻数の91%を占めます。40歳を超えて恥知らずな男になってももう遅いのです。あくまで、結婚を希望しているならばの話ですが。