安く笑える人は最高にお得
しかし逆説的にいえば、いわゆる「笑える人」には大したお金は必要ありません。笑う能力が高ければ高いだけ、「笑う」ということに対して払わなければならないコストは低いからです。
アリを見て笑っていれば、タワマンの一室にいる人類のように、自らの人間ランクの高さに浸るために数多の時間と予算をかける必要はありません。
安く笑える人は最高にお得なわけです。
それでも「笑えるが勝ち」という主張に対して異議のある人は、きっととてつもなく崇高な精神の持ち主なのだろうと思います。たとえば来世への希望とか、人類全体に向けた愛だとか、そういったものを持ち合わせているに違いありません。その点で「笑える」のだとしたら、それはそれで勝者なんでしょう。
想像力は知性の賜物。笑いたいときに、好きなだけ笑える人が「人生の勝ち組」です。
手段を追いかけるのも楽しいかもしれませんが、たまにはこうして、もう一度目的に回帰してみるのも悪くはないのではないでしょうか。
生きるのをあきらめないために「あきらめる」
「笑い」の次には「生」の話をしておきましょう。いきなりですが、僕は他人の人生に興味がありません。どう生きているか、何を考えているか、とか超どうでもいい。
でも興味はないけれど、みんな死なないで生きればいいのになあ、とは思っています。 だって一人でも人間が減ったら僕に奢りに来る(可能性のある)人が一人いなくなってしまうわけなので(笑)。
というのはまあ冗談ですが、世界ではどうやら毎年、冗談にならないぐらいめちゃくちゃな数の人間が死んでいます。
インフルエンザでは25~50万人。交通事故では135万人。あと80万人が自殺。新型コロナでも沢山の人が死んでいます。
人生っていうのは生きているだけですごい。
だからこの本を読んでいる人には、これだけは言っておきたいんです。
「死なないように生きていこう」と。
少なくともここまで生き残ったのだから。生きているだけですごいのは、誇張でもなんでもないことだと思っています。
じゃあ「死なないように生きていく」にはどうすべきか。「あきらめる」ことです。生きるのをあきらめないために。