太子が打ち立てた理念や哲学こそが、再評価されるべきだ
太子は日本最初の「外交官」でもある。太子は遣隋使の小野妹子を派遣し、隋の皇帝に「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す」とする国書を渡し、国交を結ぼうと考えた。隋の皇帝は、「日没する処の天子とは、無礼なり」と激怒したが、妹子の粘り強い説得によって日本と隋との交流が始まり、後に遣唐使として引き継がれている。
聖徳太子の存在がなければ、日本の姿は別のものになっていたに違いない。
コロナ禍が続く。社会が疑心暗鬼になって、差別が生まれるなどの歪みが生じている。太子がらみの行事は中止が相次ぐが、いまだからこそ、太子が打ち立てた理念や哲学こそが、再評価されるべきだと思う。