『日本人のための第一次世界大戦史』に作者が込めたこと

第一次世界大戦にはスペイン風邪が関係します。今回のコロナ禍ではスペイン風邪の数少ない記述のひとつとして本書が注目されました。また資金調達や戦中の日米の株価動向などこれまで余り注目されてこなかった金融と戦争の関係や、ケインズがからんだ戦後のドイツの賠償問題、陰謀論のせいでわかりにくくなっているユダヤ人金融家の動向、それと関係したイスラエルの建国、オスマン帝国の終焉とそれが現在の中東情勢にもたらしたもの等々、一般的な第一次世界大戦史には描かれない項目が多数取り上げられているのも『日本人のための第一次世界大戦史』の特徴です。

板谷敏彦『日本人のための第一次世界大戦史(角川ソフィア文庫)

また関連した映画や参照文献を細かく取り上げていますので、この本を第一次世界大戦史のガイドブックとして、より深く次の思索や専門書へと進みやすくしたつもりです

第一次世界大戦では炸裂弾の開発や蒸気機関の発達、戦車や航空機、潜水艦が戦争の様相を変えてしまったように、核兵器に人工衛星、通信や情報処理の技術が桁違いに発達した現代において、昔と同じような戦争が生起するはずもありません。しかし今から100年以上も前に今と似たような歴史があったのであれば、それは知っておくべきだと思うのです。

文庫が主体の小さな町の本屋でも、学術文庫のコーナーにきっとおいてあると思います。是非手にとってご覧下さい。

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