どうしても自分が優位なときの対処法

注意しなければならないのは、こちらが優位に立ってしまったときだ。なにか成果をだしたとき、昇進が決まったとき、上司からホメられたときなど、こちらがあからさまに優位に立ってしまったときが要注意となる。このタイプは、身近な人物の成功によって比較意識が強まり、いじけたり攻撃的になったりしやすい。

榎本博明『面倒くさい人のトリセツ: 職場の“ストレス源”に翻弄されない知恵』(KAWADE夢新書)

そのようなときは、気まずくならないように自虐ネタで茶化すことにしているという人がいる。それはとても賢いかわし方だ。自虐ネタによって、むこうはこちらをバカにするかのように笑うことができ、「勝ち――負け」の図式において、こちらを引きずりおろすことができる。むこうは自分が優位に立っていないと気がすまないのだが、こちらが劣位を装えば、気持ちに余裕ができ、攻撃的にならずにすむ。それどころか、結構いい人でいられたりする。自分のほうが上だと思えば、気持ちに余裕ができ、とても親切な人になったりする。たとえば、自分のほうが実力があり、どうしても優位に立ってしまいがちなため、なにかにつけてドジ話をするのに加えて、いろいろと相談したりして頼ることで身を守っているという人もいる。これは、とても有効なかわし方といえる。

こちらが嘆いたり、自嘲気味なことをいったりしながら相談することで、むこうは自分の優位を実感でき、気持ちのうえでおおいに余裕ができる。その結果、攻撃的になるどころか、こちらに同情し、上から目線ではあるもののアドバイスしてくれたり、けっこう親切にしてくれたりするものだ。むこうが上から目線になれるように導くのが、ややこしい対抗心からわが身を守るコツといえる。

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