オンラインを使った動画によるモデル授業例を教員が共有せよ
3)授業の密度を高める
筆者はこれまで数多くの教育現場に立ち会い、授業視察、研修を行ってきたが、残念ながら、非効率的と思える授業を展開しているケースが少なくなかった。
子供たちが教員の話を聞いていないにもかかわらず時間が浪費されているシーンを何度も目にしてきた。例えば、児童・生徒に手を挙げさせて当てて答えさせるという時間(手を挙げない子は何も頭を働かせていない)、板書をノートに書かせる時間(そのまま書きとるだけで頭を働かせていない)、宿題の答え合わせやテストの解説(思いのほか、時間がかかる)……。
そのような授業に効果があるのかを検証し、改めて効果的・効率的授業を組み立て直すことで、2020年3月までの残された時限数の授業を密度高く行うことは可能であろう。単純に単元を削減するという発想ではなく、これまで行ってきた授業の組み立て方を変えるという方法をとってみるのである。
その場合、教員それぞれの「教え方」に依存するのではなく、効率的授業のモデルケースやガイドラインを教育委員会などが作成するといいのではないか。オンラインを使って動画による授業例を教員が共有し、少しでも教員が安心して授業ができるように配慮していく必要があるだろう。