会わなくてもゆるくつながれる機会を作っておく

「弱い紐帯の強み」という言葉を知っていますか。これは、米国の社会学者マーク・グラノヴェッターが発表した社会的ネットワークに関する仮説です。ざっくり紹介すれば、「普段、顔を合わせている人たちとの間にある情報はイノベーションの種にならないが、会わなくてもゆるくつながっている人との間にある情報には、イノベーションの種がある」というものです。

朽木誠一郎『医療記者のダイエット 最新科学を武器に40キロやせた』(KADOKAWA)

家族や友人、同じ業界の人同士など、自分と強いつながりを持つ人たちは、同じような環境、生活スタイル、価値観を持つ場合が多く、情報が均一化されたり、冗長になったりすることが理由とされます。そして、僕はこれが、ダイエットにも当てはまると思っています。

メディア業界は特に、忙しい業界であるがゆえに、長時間労働や精神的ストレス、喫煙や飲酒などの独特の習慣があります。これを前提にしてしまうと、太りやすく、やせにくいことはここまで説明してきたとおりです。だからこそ、業界外、友人外、家族外から、何らかの機会がもたらされる状況を、積極的に作っておくことが、ある意味では僕たちの健康を守るシェルターになるのです。

状況によって「紐帯」を使い分けよう

他にも、この記事を読んでくださっているみなさんと、僕の関係が弱い紐帯に当たります。もし、SNSでフォローしてくれることがあれば、その関係が継続することになるでしょう。SNSのフォロワーさんたちは、まさにこの弱い紐帯でつながっている方々です。

これは決して、強い紐帯がダイエットによくない、ということを意味しているわけではありません。SNS投稿やLINEの運動報告部のように、強い紐帯の方がやる気が出るケースもあります。大事なことは、自分の状況によって、弱い紐帯と強い紐帯とを使い分けること、そのために正しい知識を持つことだと言えるでしょう。(続く)

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