「有名になって後悔させてやる」

その後、渡部さんは神奈川大学在学中の1993年に相方の児島さんとアンジャッシュを結成。だが、思うように世間から支持されることはなく苦節を7年味わうことになる。この時、渡部さんは知り合ったホステスに「有名になって後悔させてやる」と捨てぜりふを吐いたことがあったそうだ。

このエピソード一つをとっても、彼には強烈なコンプレックスが蓄積していた可能性は高い。

だがついに、そんな彼がスポットライトを浴びる時が訪れる。

2000年代前半、「エンタの神様」(日本テレビ系)で活躍したのを皮切りに、アンジャッシュはさまざまなバラエティ番組に進出した。

特に渡部さんはグルメ、高校野球などお笑い以外の分野で活躍を見せるようになった。

しかし、渡部さんはもともとグルメだったわけではない。前出の『週刊文春』によると、幼少期はお菓子やジュースを禁止されており、下積み時代はカップラーメンの汁を吸ってしのぐ生活を送っていたそうだ。

いつからグルメ王になったのか

そんな彼の食生活が急激に変わったのは、ほんの10年前と思われる。

2014年9月8日の彼のインスタグラムでは、「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)で放送された「芸能界でもっともグルメな人」ランキングでダチョウ倶楽部・寺門ジモン氏を抑えて一位になったことをうれしそうに投稿している。

今や会員制の客単価3万円以上の高級店に頻繁に足を運び、各店の店主と仲良く撮ったツーショット写真をインスタグラムにアップするようになったが、それはブレーク後に資金的に余裕が生まれたから実践できるようになった側面は否定できないだろう。

ツイッターで「島耕作」シリーズの作者である弘兼憲史さんに描いてもらったというイラストを「#お宝自慢リレー」のハッシュタグをつけて投稿している。

そんな、自由に食べ歩きできるほどの余裕と、華やかな人脈を持つようになった彼の芸人として好調ぶりを裏付けた瞬間が、2017年の女優の佐々木希さんとの結婚発表だった。