「コロナで職を失いました」出会い系にあふれる書き込み

さらにこの事態は新たな問題をも示唆している。

水商売や風俗業というのは、本来、貧困から抜け出すための手段という一面も持っていた。つまり、キャバ嬢や風俗嬢になるのは不本意でも、歯を食いしばりさえすれば、それなりの収入を得ることが可能だったのだ。

ところが、コロナ禍では、こうした職業はもはや貧困からの脱却手段としての機能を失っている。貯金をして普通の生活への足掛かりにするどころか、さらなる窮状への入口になった感さえある。

コトの性質上、あまり公に語られない話ではあるが、コロナ禍の水面下で進行中の由々しき問題であるのは疑いようがない。

いま、援助交際の巣窟である出会い系サイトは、コロナ関連の書き込みであふれている。

「コロナで職を失いました。本当に困窮しています」
「コロナで困っています。支援してくださる方いますか?」

買春に目のない男性なら舌なめずりするのだろうが、当の女性たちにとっては切実な状況に違いない。なぜなら、現在の売春市場が飽和しきっているからだ。

仕事にあぶれた風俗嬢や一般女性の他、キャバクラから風俗店というルートを経ずに、ダイレクトに援助交際の世界に参入したキャバ嬢もいる。そこへ、もともと売春で生計を立てている女性まで加わるのだから、過当競争が起きてもなんら不思議はない。

コロナ禍で援助交際の稼ぎが20万円以上減少

実情はどうなのか。長年、援助交際で生活している女性(関東在住、30代)に話を伺った。

「普段は出会い系サイトを4つ使い回してワリキリ(援助交際)の相手を探してるんですけど、いまどのサイトも女のコの書き込みがマジで増えてます。私、実はリーマンショックの時すでにワリキリをやってたんですよ(笑)。でも、その頃でさえこんな状況にはなってなかったと思います。おかげで収入もガタ落ちですもん」

そう言って彼女がスマホの画面を見せてきた。

「月ごとにワリキリで稼いだ金額を記録してるんですけど、これ見てください。2月は50万で普段どおりだったのに、4月は30万に届かなかったんですよ。ヤバくないですか?」