SNSで「正義中毒」になる人々

中野信子『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。

まずご紹介したいのが、第4位『人は、なぜ他人を許せないのか?』。インターネットの普及により、私たちは世界中の人々と簡単につながれるようになりました。しかし、SNSでは言い争いや炎上が絶えません。

なぜ至るところで「炎上」が起きるのか。脳科学者である著者・中野信子氏は、その原因として「正義中毒」を挙げます。他人に「正義の制裁」をすると、快楽物質であるドーパミンが放出され、さらに罰する対象を探すようになる。しかも誰にだって起きうるというのです。

どうすれば「正義中毒」に陥らずに生きていけるのか。SNS全盛期の時代だからこそ、お読みいただければと思います。

「ストレス=悪」と思い込むのは損

ケリー・マクゴニガル『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』(大和書房)

続いてご注目いただきたいのが、第5位『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』。新型コロナウイルスによる環境の変化から、心のバランスを崩してしまっている方も少なくありません。

心の健康を保つための第一歩は、正しい「ストレスとのつきあい方」を知ることです。ベストセラーとなった『スタンフォードの自分を変える教室』でお馴染みの著者ケリー・マクゴニガル氏によると、私たちがストレスの悪影響だと思っていることの多くは、実はストレスを避けようとするせいで起きるのだそうです。

本書を読むと、ストレスとどうやって付き合えばいいのか、不安やプレッシャーをエネルギーに変えるためにはどうすればいいのかがわかります。ストレスを感じるのは、必ずしも悪いことではありません。「最近ストレスが多い」と感じているのなら、この本が力になってくれるでしょう。