子供の集中力は「1~2時間」が限界

例えばここ半年の間に受けた塾のテストを振り返り、正解率50%以上(上位生は30%以上)なのに間違えてしまった問題をコピーして、はさみでカットして、白い紙に貼り付けて、オリジナルプリントを作ってみる。みんなが解ける正解率が高い問題が解けないということは、合否に大きく関わるので、きちんと正解できるようにしておくことが必須だ。正答率が高い問題は、基礎問題であることが多い。

休校中の家庭学習は、基礎学力を固める勉強(読み書き計算)を多めにすることをすすめる。こうした勉強はダラダラやらずに、時間を計ってスピーディーに取り組む。一方、文章題のようなじっくり考える問題や、細かいことまで丁寧に覚える勉強はやや少なめにしておく。

子供の集中力はせいぜい1~2時間。算数の文章題などじっくり考える勉強を1時間、計算や漢字など力を抜きながらやれる勉強を2時間やるとしよう。それを連続してやらせることはおすすめしない。4年生あたりだと、「30分がんばって、15分休憩」の繰り返しが良い。6年生でやっと「60分がんばって、15分休憩」が可能になる。じっくり考えて解く問題は、子供が一日の中で最も集中する時間にやるようにする。このように、勉強にはメリハリが必要なのだ。

理科と社会をじっくり身につけるチャンス

もう一つ、休みのうちにぜひやってほしいのが、理社の勉強だ。多くの塾では、中学受験では算数が重要と言っているため、普段、子供たちは算数の勉強に追われて、理社に時間を割くことができない。だが、今なら十分に時間が取れる。コロナで受験が不利になると思っている親は少なくないが、私はむしろ、この時間を上手に使うことができればチャンスなのではないかと思う。特に6年生にすすめたい。

理社の勉強といえば、一問一答の暗記教材を使うことが多い。しかし、こういう教材に慣れてしまうと、少し違う角度の問題が出たときに対応できなくなってしまう。理社の学習に必要なのは、知識の量だけではなく、知識同士のつながりの理解だ。これは、説明の文章を丁寧に読み込むことで初めて頭の中に作り上げることができる。そこで、もう一度テキストの説明に戻って、丁寧に読むことをすすめる。

すべてをやるのは膨大なので、例えば、理科なら植物分野、社会なら地理と、範囲を決めてじっくり読む。その際、イラストや写真もしっかり見ること。また、目立たないコラムにも目を通しておく。重要なところには線を引くなどして、絶対に忘れないようにする。なぜそこまでやるのかといえば、次にじっくり学習ができるのは夏休みのはずだが、今年の夏休みはその時間がとれそうにない。秋以降は過去問対策が始まり、理社にじっくり時間をかけられる時がないからだ。線を引いたところは、「絶対に覚える!」という強い気持ちを持って、取り組んでほしい。