死亡者数を基準とし国民は「3密」を避ける。これが日本の国家方針だ
僕はこのメルマガ(Vol.192【専門家「フル活用」のノウハウ(2)】ついにWHO「パンデミック」宣言! なぜ日本社会は諸外国より落ち着いているか)で、新型コロナウイルス感染症については、「感染者数」ではなく「死亡者数」で、国家の感染症対応マネジメントをすべきだと主張した。
その考えは今でも変わっていない。
新型コロナウイルス感染症は、8割が無症状・軽症だというのが専門家の統一見解だ。だからこそ残りの2割の方々に、日本の高度な素晴らしい医療技術を集中させなければならないと考える。
ところがこれまでは、検査で陽性となれば無症状・軽症者の全員を感染症の専門病院に入院させていたので、医療現場がパンクしそうになっていた。感染症患者に対応する医療従事者の労力は想像を絶するほど大変だ。普通に患者と接触することができず、常に完全な防護服を身にまとわなければならず、さらに患者ごとに防護服を着替えるという話も聞いた。また新型コロナウイルスは患者体内での滞在期間が長く、入院期間が長くなるとも聞いた。医療従事者自身、感染するリスクを抱えながら大変なご苦労の毎日であり、本当に頭の下がる思いである。
ゆえに、やっとのことであるが、無症状者・軽症者は専門病院に入院させずに、症状の程度や家庭環境によって、自宅療養か宿泊施設での療養を行うことに政府の方針が固まった。
これで専門病院の病床は、重症者のために使うことができる。
(略)
各人が他人にうつすことを極力避ける行動をとることはもちろんだが、高齢者や基礎疾患を持っている人、さらに特にヘビースモーカーで肺の機能が弱まっている人は、自己防衛のために、いわゆる「3密空間」に出向くのは、今は絶対に控えるべきだ。
とにかくこの死亡者数を0にすることは不可能であっても著しく増えないようにする。そのためには重症者をしっかりと医療ケアできるような余力を各医療機関に残しておく。死亡リスクが高い人は、自己防衛のために感染リスクの高い場所には行かないようにしてもらう。
これが新型コロナウイルス感染症に対応するために日本の国がとるべき国家方針だ。
世界各国と比べてみても、この死亡者数の少なさは、日本の対応が今のところうまくいっていると考えてもいいのでないか。日本の政治行政は医療現場の皆さんの余力を残す政策をどんどん実行すべきである。
(略)