オフラインゲームは、時間に縛りがあった

オフラインとオンラインゲームの違いは、何でしょうか。

それまでの(インターネットにつながっていない)オフラインゲームではソフトウェアに搭載できる情報量に限界があるため、たとえば家庭用のロールプレイングゲームなどでは、100時間程度でクリアできるものが多かったと思われます(もちろん、ゲームの種類やプレイする個人によって差があります)。スポーツゲームやシューティングゲームなどは複数でのプレイも可能でしたが、主に友人などと一緒に楽しむものでした。

そしてゲームセンターや喫茶店などに設置されているアーケードゲーム機をプレイするにはそのつどお金がかかり、営業時間という縛りもありました。私の住んでいた地域(札幌)では、中学生以下のゲームセンターへの出入りが禁止されていたことを憶えています(ゲームセンターへの出入りがばれると、学校の先生に説教されていました)。つまり、ゲームセンターにはこっそり行くものであり、たとえ行ったとしても大人たちやそこにたむろしている不良たちの目を気にしながらというような環境で、安心してプレイに没入できるようなものではなかったでしょう。

オンラインゲームは「飽きる」ことができない

オンラインゲームには、終わりがありません。オフラインゲームには有限性があり、飽きることができました。飽きるというのは、依存症の発症を妨げる重要な因子です。それに対しオンラインゲームは、いつでも利用可能で常時更新されるエンタテインメントであり、飽きることができないように設計されているのです。

オンラインゲームでは、いつでも世界中の人とつながれます。インターネット上で一緒にプレイを楽しみながら、ゲーム会社からしばしば追加される新しいコンテンツを共有できる。こうしてオフラインゲームと比較して圧倒的に飽きない、飽きのこない環境で遊び続けることができます。この無限性が依存症につながり得るのです。

ましてやコンピューター自体やオンライン機能によるゲームの性能向上は、より多くの「快楽」(より楽しい)をもたらします。オンラインゲームが開発されたことによって、ゲームの依存性が格段に増したのは疑う余地がありません。