沖縄の女性はなぜ笑うのか

巷には健康で長生きするための情報が溢れかえっている。それだけ長寿を望む人が多いということなのだろうが、実は、住む街の環境によっても大きな「健康格差」がある。

健康と社会環境の関連性について研究をしている千葉大学の近藤克則教授は「一般的には、都市部のほうが健康指標はいい傾向にあります」と指摘する。車社会ではないので歩く時間が長かったり、スポーツや趣味のサークルで社会参加をしている人が多かったり、都市計画で樹木が多く植えられていることなどが理由として挙げられるのだそうだ。「高学歴で高所得な人ほど長生きするという統計もあります」。都市部にはそうした人が多く住んでいるということも長寿の要因なのだろう。

しかし、女性の平均寿命が89歳と日本一長い市区町村として知られる沖縄本島中部の北中城村は、その分析と矛盾する。都市部とは言い難い人口約1万7000人の小さな村で、平均年収で見ても沖縄県は国内で下位にある。近藤教授の分析を跳ね返すほどの長寿の秘訣があるのだろうか。筆者は11月でも暖かい沖縄へ、新垣邦男村長に話を聞きに行った。