なぜ同期が家を買うと聞くと嫉妬してしまうのか?

誰しも、無意識のうちに、人が持っているものや立場、環境に嫉妬や競争心が芽生えることがある。まったく知らない赤の他人だと気にならないが、友人や同僚など、身近な存在だと、つい比較してしまう。

田村さんの場合、ある意味、同期が家を購入することに妻のほうが嫉妬を覚えたのがきっかけで、自分たちも無理して家を買う羽目に陥ってしまったわけだが、実はこのあと悲しむべき展開を迎えることになる。

雑誌『プレジデント』(2019年11月1日号)がビジネスパーソン1000人を対象に「嫉妬度」を調査している。それによると、他の世代に比べて20~30代女性は、「嫉妬度」が強かった。

「(他人が)高級戸建・マンションに住んでいる」ことが気になるか(嫉妬するか)という質問では、30代半ば以降の世代は女性より男性のほうが「はい」と回答しているのに対し、20代や30前半までの若い世代は、男性より女性のほうが圧倒的に「はい」と答えている。

ちなみに、この若い世代の女性が、同世代の男性に比べて猛烈に嫉妬する対象となるのが、「(他の人が)いい家に住んでいる」ということのほかに、「自分よりも顔がキレイ(な女性)」「スタイルがいい(女性)」だった。若い世代の女性にとって、「いい家に住む」ことは「容姿」と同様に決して譲れないプライドの問題ということだろうか。

嫉妬は、すべての動物が持つ本能だといわれるが、人の場合、何に対してその感情が生じるかは世代や性別によってさまざま。非常に興味深い世界だが、後編で詳述する田村さん宅のようにライフプランを脅かされる展開となってしまうことも多いのだ。(後編に続く)

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