フルマラソンを確実に「3時間台」で走る練習法
それではサブ4を目指すうえで、より具体的で実践的な「ペース設定」をお教えしよう。
スタート直後は大混雑していることもあり、最初の2kmはウォーミングアップととらえる。ゆっくりと入り、2kmまでに“目標ペース”に上げていく。2kmの通過は12分くらいだろう。サブ4の平均スピード(キロ5分40秒)と比べて、40秒の「借金」となる。
カラダが温まってきた2kmから25kmまでは少し攻めて走る。この間は、サブ4の平均スピードを20秒上回る「キロ5分20秒」のペースで刻むのだ。すると25kmは2時間14分40秒の通過となり、サブ4の平均スピードから7分00秒の「貯金」ができることになる。
25km以降は、無理にペースを維持する必要はない。徐々にペースを落としていく(というか自然と落ちていくペースで確実に走る)。目安として、25~30kmはキロ5分40秒まで、30~35kmはキロ6分00秒まで、35km以降はキロ6分30秒までペースが落ちてもOKだ。
このように走ると30kmまでに8分ほどの「貯金」ができる。残り12kmは少しずつ貯金を使っていく。
こんな感じでレースを進めると、おおよそのフィニッシュタイム予測は、3時間56~57分。途中、トイレ休憩で1~2分ロスしたとしても、サブ4を十分に達成できる計算だ(※余裕を持った計画なので、2~25kmはキロ5秒ほど落としてもOK)。
これぐらい具体的にシミュレーションすると、やるべきことが明確になってくる。あとは局面に対応するための準備(トレーニング)をしていけばいい。
30km走は意味がない
市民ランナーを取材していて思うのは、マラソン練習でむやみに「30km走」を行う人は多いこと。でも、単発ではほとんど意味がないし、リスクのほうが大きい。
なぜなら、30km走をやったところで、あと12kmも走れるのか? という不安な気持ちになる人が少なくないからだ。また無理に30kmを走ることで、脚を痛めてしまう心配もある。それならばやらないほうがいい。
マラソン練習でまず行うべきは、「ランニングに慣れる」ことと、「ペースをコントロールできるようにする」ことだ。たとえば、5~10kmほどをジョグしたあとに、1km走を1本行う。この1kmはタイムを計測して、どれぐらいのペースで走っているのかを把握するのだ。全力で走るわけではなく、レース本番よりも少し速いくらいのペースでちょうどいい。サブ4を目指す人なら、キロ5分00~20秒くらいでいいだろう。