真意は周りから見ただけではわからない

実はこの少女は、非常に貧しい環境で暮らしていました。家の水道は止められ、なかなか真水を手に入れることができません。水は飲み水や食事に使うため、どんなに暑くて水浴びをしたくても、簡単にはできないのです。どうしても水浴びをしたいときは、川に行くしかありませんでした。しかし、川までは徒歩で片道1時間以上かかります。つまり雨は、この少女の暮らすエリアの人たちにとって“天然のシャワー”だったのです。

「そんな理由があったとは……」と思った人が大半なのではないでしょうか。

何を隠そう、少女とは私の母です。母はフィリピンで育ち、苦労した背景もあり、私が小さい頃、よくこの話をしてくれました。

このように、相手の真意は、周りから見ただけではわかりません。「本人によく聞いてみなければわからないような事情」は、多くの人が抱えているものです。相手に問いかける際は、できるだけ勝手な解釈を挟まず、フラットな視点を心がけることをおすすめします。そうすることで、変にプレッシャーを与えたり、「良い結果だった前提で質問する」といった相手との意識のズレも防ぐことができます。

ほんの小さなことですが、「自分の思い込みが入っていないか」確認したり、「質問の仕方をちょっとだけ変える」だけで、人間関係はよくなり、生産性も上がっていきます。

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