金言2:無担保・無保証でも借りられる

「返してくれる会社」には貸したい

銀行からお金を借りるときは、担保も個人保証も必要ありません。借りる側と貸す側は対等です。本来、銀行にとって借り手はお客様で、「借りてください」と頭を下げる立場です。しかし、「お金は頼み込んで借りるもの」という意識が強い社長は、自分の立場を下に見て、個人保証をし、担保を提供して、「貸してください」とお願いする。だから銀行は、「貸してやる」と強気に出る。

武蔵野は平成29年4月に現金および普通預金を23億円所有して、21億円借りていました。すべて無担保です。個人保証もなく信用保証協会付きはゼロで、100%プロパー融資です。しかも、すべて「長期借入金」で、「短期借入金」はゼロ。こんな「超異常」なことがなぜ可能だったのか。

銀行は、現金を持っていて借りたお金をきちんと返済すると貸してくれる。5000万円全額返済すると、「5000万円貸していた会社」から「5000万円借りてくれる力のある会社」に変わります。そんな会社を他行に奪われるのはもったいないから、また貸したくなる。銀行は、「返してくれない会社」には貸さないが、「返してくれる会社」には貸したい。だから、返済をすると信用が高まり、無担保・無保証であっても再び貸してくれるようになります。

金言3:頭取銘柄を目指せ!

「頭取が訪れた会社は倒産させない」暗黙のルール

頭取をはじめ専務、常務など、銀行のトップや役員は、ブロックごとに地域のお客様を訪問しており、各地域の取引先には数年に1度、頭取が訪問する機会があります。頭取が訪問するのは、支店長が「地域で一番のお客様」と、頭取に訪問を勧めた会社です。

幸運にも訪問先に選ばれた会社の社長は、この機を逃さず、万障繰り合わせて頭取をお迎えすべきです。銀行には「頭取が訪問した会社は倒産させない」という暗黙のルールがあり、「頭取銘柄」に選ばれたら、借入れに困ることがなくなる可能性が高いからです。

以前、武蔵野もメインバンクの頭取に訪問していただける機会がありましたが、スケジュールの調整がつかず、お迎えできませんでした。そこで経営サポート会員のアポロ管財株式会社(橋本真紀夫社長)を推薦したところ、訪問先に選ばれ、その後「頭取銘柄」となりました。

武蔵野はその支店で貸出額がトップでしたが、3年後、実践経営塾「長期資金運用合宿」に参加していた橋本社長から「今度、支店長が代わるんだってね」と言われ、翌日、曽我公太郎経理部長から「支店長が代わります」と連絡が来ました。アポロ管財に先に連絡がいったわけです。それほど「頭取銘柄」は優遇されます。その後、武蔵野も「頭取銘柄」になりました。