メディアへの圧力とそれに対する懸念

【望月】ちなみに太郎さんは、今のメディアに対して思うことは?

【山本】そうですね、望月さんはご自身もできることをすべてやられている方だと思うのですが……。メディア全体が商業主義にのっとってやっていかなきゃならない部分があるのは確かなので、踏み込めること踏み込めないこと、いろいろあるとは思うんです。でも原発事故のときには「そうは言ったってさ!」と感じることが多くて。現場(記者)の方が頑張られているのはわかるんですけど。実際、圧力はあるんですか?

【望月】官邸の覚えがめでたい人が大手マスメディアのトップに就いたり、逆に見せしめのように降板させられたりということは実際に起こっています。かつてのように戦えない空気は確かにできつつありますね。

【山本】それは怖いですね……。

山本太郎(政治家・れいわ新選組代表)
1974 兵庫県宝塚市に生まれる。
1990 高校1年生時に『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の「ダンス甲子園」に出場し、芸能界入り。
1991 映画『代打教師 秋葉、真剣です!』で俳優デビュー。その後、テレビドラマ『ふたりっ子』(96年)、『新選組!』(2004年)。映画『バトル・ロワイアル』(00年)、などに出演。『光の雨』『GO』で01年度日本映画批評家大賞助演男優賞を、『MOONCHILD』『ゲロッパ!』『精霊流し』で03年度ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。
2011 3.11後、4月より反原発活動を開始。
2013 参議院議員選挙に東京都選挙区より出馬し、当選。
2014 政党「生活の党と山本太郎となかまたち」に合流し、共同代表。党はその後、自由党に改称。
2019.04 自由党と国民民主党の合流には加わらず、独自で「れいわ新選組」を旗上げ。
2019.07 参議院議員選挙に比例区より出馬、99万2267票を得るも落選。れいわ新選組の得票率が2%を超えたことから、政党要件を満たした党代表に。
望月衣塑子(東京新聞社会部記者)
1975 東京都に生まれる。小学校3年生のときに演劇を始め、6年生のときに『アニー』の主役を演じた。その後、業界紙記者の父や、フォトジャーナリストの吉田ルイ子の著書『南ア・アパルトヘイト共和国』の影響を受け、記者を志す。
2000 慶應義塾大学を卒業。中日新聞東京本社(東京新聞)に入社。
2004 社会部の東京地検特捜部担当記者として「日本歯科医師連盟のヤミ献金疑惑」の一連をスクープ。
2014 武器輸出や軍学共同の取材を開始。日本における武器輸出の拡大や軍事研究費の増加について報じた「武器輸出及び大学における軍事研究に関する一連の報道」が「第23回平和・協同ジャーナリスト基金賞」の奨励賞。
2017 菅義偉内閣官房長官の記者会見に出席し始め、安倍晋三総理への「忖度」があったと疑われる森友・加計学園問題などについての質問で注目される。
2018 2017年メディアアンビシャス大賞特別賞を受賞。「マスコミの最近のありように一石を投じる望月記者の活動ぶりを示した」。
2019 半生をつづった自著『新聞記者』を原案にした同名の映画が公開。
(構成=いつか床子 撮影=長谷英史)
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