——導入するにあたって不安はありませんでしたか。
全然なかったですね。「みんなに来てほしい」ではなくて「現金しか払えない人は来なくていいよ」という感覚でした。SuicaやICOCA、Edyやクレジットカードのうち、最近はほとんどの人はどれかひとつは持っているので。
キャッシュレスにすることで10%のお客さまを失ったとしても、得られるものの方が大きいと思っています。例えば、社内の経理がすごく楽になることもキャッシュレスによって得られるメリットです。
予約制をやめたのは「自分が面倒だった」
デメリットは、売り上げに対し3%程度の手数料がかかることと、「現金で支払えないなら帰ります」というお客さまが少なからずいることです。開店当初は、ひと月に10人程度はこうした方がいましたが、この1年半でキャッシュレスが浸透してきたのか、今はそんなにはいないですね。
——キャッシュレス対応で困ったことはありましたか。
ネットの環境が悪いとつながらないことや、月に5件程度ですがカードが通らないことがあります。
そのときは振り込みカードをお渡しして「ごめんなさい。手数料をひいて振り込んでください」とお願いしています。僕としては振り込んでもらえなくても仕方ないと思っているんですが、皆さんきちんと振り込んでくれますよ。
——予約制度をなくしたことも画期的ですね。
僕がもともと、客として予約を入れるのが面倒くさかったことが発端なんですけど、予約制をやめたいいところは、スタッフの稼働率が上がることです。
例えば15時30分に予約があると、15時15分や20分に予約をしていないお客さまに来ていただいても対応できないですよね。そうすると、その間のスタッフの時間が無駄になってしまいます。でも予約なしにすることによって、スタッフの「遊びの時間」を減らすことができるんです。
混雑状況をリアルタイムで配信
ただ、予約ができないということは、お客さまを待たせてしまうということでもあります。その問題を解消するために、YouTubeでリアルタイムの店内映像を配信しています。
プライバシーに配慮して画像の解像度は低くしていますが、ひと目で待ち人数が分かります。施術までの時間をある程度把握できるので、お客さまのご都合に合わせて来店いただくことが可能です。
リアルタイム画像を見るたびにお客さまがたくさん待っていたら「はやってるな」、たまたま人が少なかったら「ラッキー」と思ってもらえるようで、お店の宣伝にもなっているのはうれしい誤算ですね。
——これから取り入れたい新しいアイデアはありますか。
今一番やりたいことは、施術後に撮影した写真やアンケートを、お客さまがお店を出た10分後くらいにSNSで送れるようにすることです。