試合後にロッカールームの掃除をする理由

——前回W杯では南アフリカからの逆転勝利で、日本ラグビーを取りまく空気が変わったように思います。あの試合に勝ったことは、日本代表が「憧れの存在」になるうえで大きかったのでしょうか。

撮影=尾藤能暢

はい。でも、それだけではありません。勝ち負けは、自分たちの力でコントロールできません。しかし、ぼくたちは自分たちの努力次第で「憧れの存在」にはなれると考えました。たとえば、子どもたちからサインを求められたら、声をかけて丁寧に応じる。海外の試合で使わせてもらったロッカールームは、最後に掃除をする。そうした積み重ねによって、たくさんの人に応援してもらえるチームになるはずだと全員で取り組んできたんです。

——チームメイトやスタッフみんなが同じ目的を共有する。スポーツ以外でも重視されはじめている考え方ですね。

はい。大切なことは物事を深く掘り下げ、本質を理解しようとする姿勢です。ぼくはキャプテンとしてプレーした期間が長かったせいか、ラグビーとはどんなスポーツなのかを考える機会が多かった。それがよかったのかもしれませんね。(続く)

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