情報をおろそかにすると被害は大きくなる
また、日本人1人を含む258人が犠牲となった今年4月のスリランカ同時多発テロだが、スリランカ情報当局はインド当局から事前に、テロの可能性があるという情報を伝えられていた。同テロで主導的な役割を担ったザフラン・ハシム容疑者が、事件前にインド南部を訪れ、現地のIS系組織と関係を構築していたというのだ。
つまり、もしスリランカ当局がインドの情報の意味をきちんと受け止め、事前にテロ警戒情報を発信していれば、被害を少なくできた可能性が高い事件だったともいえる。
今後も各地で、組織的なテロが発生することだろう。テロを防止し、なくすことは国家にとって重要な政策であるが、完全なテロの抑止が不可能に近いことも事実である。よって、テロに巻き込まれないために最も重要なのは、テロ情報を入念にチェックし、事前にその前兆を把握することだ。
テロを完全に避けることは不可能だが、それを予測することは不可能ではない。