医大入試は就職試験するのと同じ
2018年、東京医大ほか多くの医学部で女性受験者を減点していた事実が発覚し、世間は大騒ぎとなった。しかし、医療現場では「そんなの公然の秘密」という声が多数派だった。なぜなら、全ての医大には附属病院があり、医大入試が事実上の採用試験としても機能しているからだ。
大学病院ともなれば、長時間手術や夜間救急外来のようなハードな仕事が多い。ごく一部の名門病院なら医師確保に苦労しないだろうが、東京医大ほか中堅医大では、一般企業と同様に体力とやる気のある「若い男」を確保したい。
医師不足に悩む地方医大としても、将来は母校の附属病院に就職してくれる高校生がほしい。よって、合否判定する際は「地域枠」も「一般枠」も、面接試験での受け答えを聞いた上で「卒業したら速攻で東京に逃げそうな人材」を排除せざるをえない。
都市部受験生に伝授したい地方医大「地域枠」攻略法
地域枠といっても具体的な選抜方法はさまざまである。かつては、「県内高校卒業生に限定」また、「県内の中でも特に医師不足地域の高校から推薦入学」といった手法もあったが、出身属性を限定しすぎると学力の維持ができず、結果的に留年や国家試験不合格のような残念な医学生が目立つことになる。
そこで、現在は「県外出身者でも県内就職を確約するならば受験可能」という地域枠が増えている。地域枠の人数や条件は変更されやすく、おおむね秋ごろから各大学医学部の公式ホームページで掲載されることが多いのでチェックしておきたい。