ポスト批判をきっかけに、新聞が「事前検閲」を強める恐れ

私は週刊現代の編集長時代、新聞は“事前検閲”していると猛抗議をしたことが何度かある。

新聞広告は、発売の数日前に出さなくてはいけない。それを見た朝日新聞が、性表現、自社の都合の悪いことを書かれた記事(これは他社も同じ)、皇室に関する記事では、「表現を直せ」「直さないならそこだけ白地で出す」といわれたことが何度かある。

今回、ポスト批判をきっかけに、新聞が“事前検閲”を強め、思想信条についての雑誌タイトルにもクレームを付けてくるかもしれない。要注意である。

ポストは次の号(9/20・27)で、「韓国の『反日』を膨らませた日本の『親韓政治家』たち」という巻頭特集をやってきた。

その中で、先の「お詫び」も掲載している。内容は、河野一郎、岸信介、佐藤栄作など、親韓といわれた政治家たちは、「その場限りの利権や贖罪のための友好」(ポスト)だったため、政治家同士による真の友好関係が成り立っていなかったとし、「安倍首相と文大統領の双方が彼我の外交政策を振り返り、両国の関係を見直すことに気づいてこそ、新たな外交が始まる」(同)と、至極まっとうな内容である。

各局のワイドショーでは嫌韓暴言が乱発されている

嫌韓ムードを週刊誌や一部の雑誌が煽っているという面はたしかにあるが、ポスト、新潮、文春を全部合わせても、読者数は100万に届かない。

影響力でいえば、テレビが圧倒的である。そのテレビのワイドショーでも嫌韓発言が相次いでいる。

韓国へ行った日本女性が、韓国の男に乱暴されている映像を見て、「日本男子も韓国女性を暴行しなけりゃ」と『ゴゴスマ』(CBCテレビ)で発言した武田邦彦中部大学特任教授の発言は、人間として恥ずべきであるが、各局のワイドショーではそれに近い嫌韓暴言がバカなコメンテーターたちから度々飛び出しているのである。

そんな中で、いまや『報道ステーション』よりも、テレ朝の報道の「顔」になったと持て囃されている『モーニングショー』(以下、『モーニング』)でも同様のことをやっている。

世間ではテレ朝の社員でありながら、割合、ズバズバとモノをいうと、玉川徹の評価が高いようだが、私は懐疑的だ。