メンバーを心の重荷から解放してあげる

しかし、そもそも「殻」とは何でしょう? 私はFさんに「そもそも殻って一体、何のことだと思う?」と聞きました。すぐに答えは出ませんでしたが、Fさんは自分なりに考えたのでしょう。後日Fさんの親御さんから、「鈴木先生のコーチングの後から、明らかに良い方向に様子が変わりました!」とメールをもらいました。Fさんにとって、先生のこの言葉が重荷になっていたのだと思います。

リーダーや指導者は、相手のためを思って言葉をかけたり、励ましたりします。しかし、時にその言葉が相手の重荷になり、パフォーマンスを制限している原因となることもあるのです。

この話はあくまで一例ですが、たとえば「壁を超えろ」といった言葉も、メンバーからしたら「壁はどうやったら超えられるのだろう」「そもそも壁ってなんだろう」などと思えてきて、相手をいたずらに悩ませてしまう要因になりやすい言葉です。

激励のつもりで日々かけ続けている言葉は、果たして相手のためになっているのか、リーダー自身が振り返ってみることも、思い込みを特定するきっかけになります。相手だけでなく、自分の言動も振り返ることで、メンバーを心の重荷から解放してあげることができるかもしれません。

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