実家もある。10年目になる仕事も順調。ずっと札幌で生きていくんだろうなと漠然と思っていた。でも、東京には部長のように活躍する女性がいる。

「部長の話を聞き、可能性が広がった気がしました。新しい環境で挑戦してみようと決めたんです」

土地鑑のない渋谷で働きはじめた島川さんに心強いできごとがあった。札幌支店時代の顧客が、渋谷に暮らす友人を紹介してくれたのだ。島川さんの新規顧客でもっとも多いのが、顧客からの紹介。島川さんが顧客から信頼されている証しである。

一般職から営業職へ。そして、札幌から渋谷へ。新たな場に挑戦してもぶれない芯がある。お客様との繋がりを大切にしたい――。札幌で育まれた思いは、渋谷にフィールドを変えたいまも変わらない。

■服装や靴の選び方…入社当時は制服だったが、2000年にエリア総合職へ転向してからは私物のスーツ。着崩さずに、きちんとした服装を心がけている。靴は歩きやすいように、ヒールの低いものを選ぶ。

■お客様との接し方…相談は常時受けるが、時間外に接客することはない。

■セクハラ防衛法…セクハラでショックを受けたという経験がないため、特に意識したことはない。

■ONとOFFの時間…ハッキリわけている。特に07年から全社で「19時前退社」が実施され、就業時間内に業務を終わらせる意識が強まった。就業後や休日はゴルフや書道に打ち込む。

■自分のセールス点…札幌を出るとき父に「やれるところまでやってみろ」といわれた。出世を目的にしたことはないが、改めて父の言葉を噛みしめている。

(いずもとけい=撮影)