アドレス帳の知人たちがどんどん追加されていく

でもLINEは、トップ3と差別化をはかるためにも、あえてオープンではなく「クローズド」な環境にこだわった。注目したのは、皆さんのケータイにも山ほど登録されているであろう「アドレス帳(電話番号やメールアドレスの一覧)」との同期。私も2012年の夏ごろから、LINEを利用し始めた知人たちに、何度も「友達になりませんか?」と呼びかけられました。当時は「面倒だな」とも感じましたが、実はここもLINEのすごいところです。

というのも、スマホのアドレス帳にさえ登録されていれば、相手がまだLINEを始めていなくても、ショートメールなどで相手をLINEに「招待」することができる。さらに、アドレス帳に登録されているLINEユーザーの知人と“瞬時に”つながりたいときは、「友だち自動追加」の設定をオンにするだけでOK。相手が拒否しない限り、アドレス帳の知人たちが「LINE仲間」として、自動的にどんどん追加される仕組みを展開したのです。

スマホを「振る」だけでつながれる

この他、当時は新鮮だった「知り合いかも」と表示される機能も、アドレス帳の友達同士がLINEでも容易につながることを後押ししました。そして今や、相手の電話番号やメールアドレスを知らなくても、アッという間にLINEのIDをゲットできる時代です。

たとえば、「ふるふる」と「QRコード」。前者は、LINEでつながりたい二人が、近づいてスマホを前後左右に「振る」ことで、スマホ搭載の加速度センサーが反応。GPSで互いの位置情報をLINEのサーバーに送信し、相手のIDを「友だち」リストに自動で追加できます。他方の「QRコード」は、もっと簡単。LINEの全ユーザーに与えられたQRコードを、相手がスマホ上に表示すれば、それをカメラで読み取るだけで「友だち」に追加できる。まさに一瞬にしてつながれる、しかも撮ったり振ったりというアクティブな行動でつながれるので、連絡先の交換を身構えがちな合コンなどでも、よく使われていますよね。