高齢者こそ家具や家電のレンタルが向いている
昭和の時代は、多くのモノが家にあることが豊かさの象徴だった。だが、高度成長期に生まれた世代にとっては今やそれがストレスに変わって来つつある。筆者の親世代は年金暮らしに入っているが、モノをどう減らしていくかが大命題だという。粗大ごみを出すだけでも、自治体に手配を申し込んだり処理業者に頼んだりと手間とお金がかかる。使っていない古い家具を捨てたいものの、運び出すのが大変でそのまま死蔵という家も多いのではないか。
筆者もかつて自治体に家具の処分を頼んだことがあるが、「回収はするが2階の部屋から下ろすのは自分でやるように」といわれ、途方に暮れたことがある。年を経るごとに、さらにおっくうになるだろう。モノを買うのはたやすいが、捨てることが本当に大変な時代になったのだ。
こうした高齢世代や、引っ越しの多い家族は、家具や家電をいっそレンタルに切り替えるというのも有効ではないだろうか。購入費用だけでなく、処分の手間やお金を節約できるからだ。また、短期ではなく期間に応じて使用料を払って利用するサブスクリプション方式が増えており、そのサービス内容は一考の価値がある。
ダイソンやルンバのレンタルプランもある
例えば、家具・家電のレンタルサービス「CLAS(クラス)」の場合、ソファやベッド、テーブルなどを1カ月から借りられる。通常の範囲であれば、使用中に汚れや傷がついても追加料金はない。不用になったら返却できるため、粗大ごみに出す手間はかからない。
家電メーカーによるサービスもある。ダイソンは「Dyson Technology +」というサービスを提供している。コードレスクリーナー、空調家電、ヘアードライヤーをレンタルできるものだ。コードレスクリーナーなら月額1000円(税別)からプランが用意されている(パフォーマンスプラン・3年間)。
アイロボットジャパンはロボット掃除機「ルンバ」を使用できる「Robot Smart Plan」を6月にスタートした。レンタル事業者「レンティオ」を通じて貸し出しをする。月額1200円(税別/36カ月間)から利用可能だ。
高機能の家電を月額1000円程度から使うことができるのは魅力的だ。筆者もダイソンのクリーナーを試してみたが、それまで使っていた古くて重いスティック式クリーナーとは格段に違う。これまでおっくうだった掃除もやる気になる。
ただし、支払総額は購入した場合の最安価格と比べると高くつくことがある。数千円の使用料を毎月払うか、数万円の初期費用を一度に払うかは家計状況にもよる。だが、暮らしをラクにするという観点に立てば、値段重視で中途半端な製品を買うよりもサブスク方式で最新家電を使うという選択は悪くないと感じている。