意味深な甘利氏の発言「マスコミから伝わってきている」

そんな中、安倍、麻生氏の盟友でもある甘利明・自民党選挙対策委員長が興味深い発言をしている。甘利氏は5月8日、CS番組に出演。4月30日の会談の話題を振られると、こう語った。

「麻生氏が私邸に行かれて、長い間総理と話し込まれた。何が話されたかというのは、立ち会っているわけではないので分かりませんけども、巷間伝わってくるのは(麻生氏が)同日選を勧めたと。しかし総理は慎重に言葉を選んで言質を与えなかったと。いうことがマスコミから伝わってきてます」

この発言を聞いて政治記者たちは首をかしげたという。甘利氏は「マスコミから伝わってきている」と言うが、甘利氏が紹介したようなエピソードは、8日以前には報道された形跡はほとんどなかったからだ。このため、会談の内容の報告を受けた甘利氏が「マスコミが報道している」という表現を使って内容を明かしたという見方が広がり始めている。サービス精神旺盛で、いたずら好きの甘利氏ならやりそうなことだ。

「いろんなことを考えられるでしょう」とニヤリ

4月30日の会談については、うわさがうわさを呼んでいる状況だ。ただ、これから数カ月を見通した政治課題について幅広く議論し、重要な方向性が出たことは間違いないだろう。そして数カ月後、「4月30日の会談で流れが決まっていた」という検証報道が行われることになるのではないか。

5月10日の記者会見で、会談内容について記者から尋ねられると麻生氏は「そういうことを話すことは、これまでもなかったと思いますし、これからもありません。やっぱり、いろんなことを考えられるでしょうね」といたずらっぽい表情で語るだけだった。

(写真=時事通信フォト)
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