「お父さんとお母さんの長所と短所を教えてください」
(2)本校の志望理由を教えてください。
《悪い回答例 その1》
「いまの人と同じです」
⇒グループ面接の場合、前の人が回答した内容と自分が言わんとしたことがかぶってしまった際、ついつい口にしてしまいがちなセリフ。グループ面接で気をつけるべき点は付和雷同にならないこと。たとえ、前の人と回答内容が重なってしまったとしても堂々と答えることが必要である。
《悪い回答例 その2》
「文化祭を見て感動したからです」
⇒あまりにも大ざっぱ。文化祭を見て「何」に感動したのかをちゃんと説明できるようにしよう。
《良い回答例》
「はい。小学校5年生の秋に文化祭を見て感動したからです。特に鉄道研究部が東京メトロ渋谷駅の内部構造を細かに復元した模型に目がくぎ付けになりました。ぼくは小さな頃から鉄道に興味があり、この模型を見てぜひ自分も作ってみたいと感じました。これがぼくの志望理由です」
⇒面接では質問に対し、『質問に対する簡潔な回答』→『具体例』→『質問内容の繰り返し』の構成を意識すると回答しやすくなる。教員が求めているのは優等生的な回答でなく(たとえば、校風に共感した……など)、その子どものオリジナリティだ。この回答例の場合、文化祭を見て感動した様子、理由が具体的に説明できていて、この子どもの個性がしっかり反映されている。
(3)尊敬する人はだれですか。また、その理由を教えてください。
《悪い回答例》
「徳川家康です」
⇒徳川家康は確かに大人物には違いないが、この回答は教員からの突っ込みどころ満載である。仮に面接官が社会担当だった場合、知識の浅薄さが露呈する危険もある。
「はい。わたしは母を尊敬しています。なぜなら、わたしは中学受験勉強のために3年間塾に通っていたのですが、塾に通う日には一日も欠かさず手作りのお弁当を用意してくれたからです。このような母の支えがとてもうれしかったです。だから、私も将来は母のように子どもをしっかり支えられる人間になりたいと考えています」
⇒このように身近な人物を取り上げたほうが話を膨らませやすい。上の「徳川家康」とは異なり、これなら教員から突っ込まれる危険性はない。立派なことを答えなければと「背伸び」をしないことが大切だ。
入試前日、親子でいろんな話をしよう
面接試験では近年「家族のつながり」についての質問が多くなっている。親子関係の希薄さに学校が危惧を抱いているからなのかもしれない。たとえば、実際の面接試験で次のような質問があった。
「あなたの名前の由来を教えてください」
「お父さんとお母さんの長所と短所を教えてください」
「お父さん、お母さんに一番注意されるのはどんなことですか」
「家ではどんなお手伝いをしていますか」
面接の準備だと思うと堅苦しいが、親子での語らいを増やすよい機会になる。ぜひ食卓などの話題にしてみてほしい。
笑顔の春まであと少し、がんばれ、受験生のみんな!