見栄っ張りタイプの浪費家は女性にもいる
「その瞬間が楽しければオールOK!」と、日常生活のあらゆるシーンにお金をかけていたので、中山さんのお金でおいしい思いをしたい有象無象の輩も群がっていたかもしれません。とはいえ本人は豪快でおおらかな方なので、それすら気にしていなかったと思いますが……。
こういった見栄っ張りタイプの浪費癖を持つ人は、女性にも少なくありません。旅行で泊まるのは最高級ホテル、毎週エステに通い、ペットの洋服はブランド品というようにあらゆるものにお金をかけ、とにかく最上級であることを求める。当たり前ですが、こういったお金の使い方をする人は、毎月100万稼いでいようとも、貯金はほぼできません。「羽振りがよさそうだな」と思えるリッチな見た目でも、中身は驚くほどお粗末、という相談者は案外多いんです。
1000万円を貯められる人には「信念」がある
反対に2、30代のうちから1000万円以上貯めることのできているお客様に共通しているのは、支出にメリハリがあること。あるお客様は手取り20万円の中で投資もして、好きなライブにもお金を惜しまない。そのかわり普段は外食せず自炊が基本で、移動も自転車を使って節約しています。
つまり貯蓄上手な人は、お金の使い方に確固たる信念があるんです。中山さんのように寂しさを紛らわせるために毎日人に奢って外食したり、好きでもないブランドの洋服を見栄のために買ったりするような“ポリシーなき浪費”が、金銭的失敗を招くのです。
さらに彼の場合、女性にモテることも問題を悪化させてしまった要因のひとつだと思いました。学生時代からこれまで一度もパートナーがいなかった時期がないという中山さんですが、それは言い換えれば、自分を見つめ直す時間がなかったということ。
「彼女が欲しいけどできない」「異性とうまく話ができない」といった悩みや葛藤があるからこそ、人は立ち止まって反省できるもの。でも中山さんのようにナチュラルボーンでモテてしまうと、なかなか自分自身と向き合うことがない。しかも仕事もできてしまうので、これまで立ち止まって内省する時間がなかったことも、刹那的な使い方をしてお金で失敗している原因のひとつだと思えました。