「ほぼ左右対称の山形になりましたね。最上段の中央の釘にぶつかった小玉が2段目以降のそれぞれの釘まで落下する経路の個数は、いわゆる『二項係数』で表せます。したがって、小玉の分布は統計の基本である二項分布の形に近づくのです」と山口さんは説明する。

実は、このことはビジネスの現場にも応用ができる。たとえば、衣料品店の店主が5種類のサイズがある服の仕入れを考えていたとする。問題は各サイズの仕入れの量なのだが、真ん中のサイズを平均身長に合わせてあるのなら、そのサイズの服を一番多く用意しておき、両端のサイズの服の量を少しずつ少なく用意すればいい。そのことを理屈ではなく、体感を通して理解できるのが、数学音痴のビジネスパーソンにとっては本当にありがたい。

東京理科大学 数学体験館
住所●東京都新宿区神楽坂1-3 近代科学資料館 地下1階 開館時間●12:00~16:00(土曜・日曜10:00~16:00) 休館日●月曜・火曜・祝日、大学の休業日 入場料●無料
(撮影=加々美義人 写真=iStock.com)
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