近畿大学の、手厚い就職支援
メガバンク、証券、保険の業界は学生の就職人気が高い。それは慶應大や早稲田大でも同じだ。両校の卒業生の就職先の上位10社(17年度)のうち、慶應大は6社、早稲田大は4社がこの「保険・証券・銀行系」だ。
2校が激しくトップを争っているのがわかる。三菱UFJ銀行、みずほFGでは慶應大が1位に、三井住友海上火災保険や損害保険ジャパン日本興亜、東京海上日動火災保険では早稲田大が1位に輝いている。
一方、ゆうちょ銀行、かんぽ生命などを抱え、業種や勤務エリアともに幅広い日本郵政グループはどうか。早慶もランクインしているが、関西大、東北学院大など地域の代表校が名を連ねる。なかでも注目したいのが近畿大だ。
「近畿大は就職支援に力を入れている大学のひとつです。内定者やOBが就職ガイダンスで説明会を開催してくれます」(海老原氏)
1年次から将来を見据え、目標設定や自己分析を行うほか、3年次の1月には就職活動決起大会を開催。例年2000人以上の学生が参加し、理事長・学長の激励に続き、OB・内定者約100人が学生たちにアドバイスする。
パナソニックは、地元大学を重視
自動車や家電などの大手メーカーには、国立大学が上位にランクインしている。トヨタ自動車のトップは、地元大学の最高峰である名古屋大学で、東京大、京都大があとに続く。
「クルマの重要テーマは燃費やスピードより、自動運転、IT・IoTといった通信技術をいかに搭載できるかどうかに変わりつつある。そこで、情報工学や電子工学出身者を積極的に採用しています」(溝上氏)
パナソニックは「地元大学」の採用が多い。なかでも注目なのが神戸大だ。
「神戸大と一橋大と大阪市立大は三商大と言われており、神戸大は一橋大と同じ扱いをされます。でも、偏差値では一橋大のほうが高い。神戸大は、入りやすく、就活では有利になるお得な大学といえます」(海老原氏)
一方、都内に本社があるメーカーでは、国公立大出身者も多いが、軒並み早稲田大が1位に。特に日立製作所と富士通が群を抜いて多い。同大学からは、例年、この2社に50人前後が入社している。とはいえ、「企業トップの学歴によって、役員構成や採用方針が変わることもある」(溝上氏)ので、突然潮目が変わる可能性もある。