意識的に朝一番の挨拶と、帰りの「お疲れ様」の挨拶だけは、気持ち良く笑顔でするようにしましょう。少なくとも最初と最後だけでも気持ちの良い挨拶ができれば、みんなが気持ちをリセットすることができます。ずっと不機嫌なままの状態を引きずる人が多いですが、挨拶でリセットしていきましょう。トップにとって一番大事なことかもしれないぐらい、笑顔の挨拶は大切なのです。

「グータッチ」で会議を終える製パン企業

これほど大事な、しかし子どもでもできる簡単な挨拶さえ、きちんとできない人が大勢います。なかなか笑顔で挨拶ができないという場合は、職場のスタッフたちとハイタッチしてみてください。すべての挨拶で必ずハイタッチをします。

鳥越恒一『ほめられたいときほど、誰かをほめよう 店長の心を励ます50の言葉』(プレジデント社)

ハイタッチは、怖い顔や落ち込んだ状態ではできません。「イェーイ!」と明るくするものなので、少なくとも嫌な感じにはならないはずです。我が家では、挨拶のたびに家族とハイタッチをしています。「おはよう」「おやすみ」「ただいま」など、とにかく毎回ハイタッチです。

実は同じようなことに取り組んでいる企業があります。弊社の顧問先の企業で行われているグータッチルールです。ハイタッチは手のひら同士を合わせますが、その企業はパンの製造・販売をしている企業です。パンづくりの最中、粉まみれの手でタッチすることを避けるために、握りこぶし同士を合わせるグータッチをしているそうです。

経営幹部を含めた店長会議で、どんなに激論を交わした後でも、最後は全員が「お疲れ様でした」「ありがとうございます」と必ずグータッチを交わす。グータッチをするときは、議論がヒートアップした後でも思わずニコッと頬が緩みます。社長ももちろん、店長一人ひとりとグータッチをして会議が終わるのです。

「とにかくグータッチ」とルールを決める

こういった取り組みを始める会社は珍しくありませんが、続いている会社はなかなか少ないものです。無理矢理やらされているような感じを受けたり、最初は恥ずかしさもあって、すぐにやめてしまうことがほとんどです。