実入りがよい派遣型・一対多

「昼はスポーツクラブで働き、夜は派遣で鍼灸師をする人もいます。私がお願いしている先生は60分で1万円。国家資格が必要ですが、鍼や灸の専門サロンで働くよりも単価がよく、常連客がつけば手堅い。私がお願いしているのも派遣型ですが、腕がいい人は予約が取れないほどです」(浦田氏)

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毎日違う場所に出向くので、派遣先の家や相手は安心か、のリスク管理も大切になる。浦田氏は、男女で副業への意識の差を指摘する。

「総じて女性のほうが副業に積極的。私のところに副業相談に来る人も、圧倒的に女性が多いです。男性は不満を持ちつつも現状肯定型なのか、あまりチャレンジしないように感じます」

スポーツ種目のコーチやトレーナーにもいえるが、組織に所属する場合と、個人レッスンで行う場合は、待遇や勤務条件が変わる。「スポーツクラブに所属して働く場合は、時給1000~1500円が目安ですが、個人レッスンなら同3000円が目安になります」(浦田氏)。

ゴルフが得意なら、ゴルフレッスンもある。いずれの場合も、公共施設よりも民間施設のほうが相場は高い。だが民間施設に所属すれば、指名が期待できる半面、相場は低くなる。浦田氏は、こうした資格・インストラクター系は、自ら教室を主宰して生徒を集める「一対多」の方式を勧める。そうすれば収入も上がる。前述の観光ガイドにもいえるが、同じ時間を割いて、1人を見る場合とグループを見る場合は金額が変わるからだ。

空き時間を有効に使うには、各種の代行業が発達している。

たとえば、お盆や彼岸の時期に需要が高まる職種に墓参り代行がある。墓地から離れた遠隔地に住んでいる人、高齢で足腰が弱った人などの代わりに、お墓に出向き、周囲の草むしりをしたり、墓石を洗ったりする。水受けを整え、花を供えるといった業務だ。

血縁や地縁が濃密な時代には「不謹慎」と言われただろうが、全国各地に墓地の放置や無縁墓が激増する時代だ。そう考えると、依頼主の思いを汲み取り、気持ちを込めてお参りしたい仕事だ。報酬は数千円が相場だが、時給換算では結構いい値段となる。これ以外に、結婚式や葬式などの代理出席もビジネスになっている。

昭和時代からある家事代行(お手伝いさん)も、やり方次第では、空き時間の活用になる。寮に出向き、朝の2時間だけ朝食や後片付けをする仕事もあれば、高齢の個人宅を日中に清掃する仕事もある。夜型の仕事もあるので、興味のある人は、キーワードで検索してはいかがだろう。