SCHEDULE:夜編
ビジネスマンの夜はまだまだ終わらない

19:00/残業
疲れはジムで発散
今日は上司に大目玉を食らった。資料の作り直しで残業。疲れを飛ばしにジムで一汗流そう。
▼【待った!】すぐに帰って寝よう

たとえどんなに疲れていても、仕事帰りにスポーツジムに寄り、汗を流してリフレッシュする。こんな習慣のある人は赤信号だ。

「一日働いた自律神経は相当疲れています。そこへランニングをしたり水泳をしたりすると、さらに負荷を上乗せすることになる。絶対にやめてください」(梶本院長)

確かに疲れているときでも運動すればスッキリする。しかしそれは人間の意欲や達成感を司る大脳の前頭葉の働きによるもので、この「スッキリ感」が疲労感をマスキング(覆い隠す)するからなのだ。それなのに無理に運動をすれば、自律神経の働きが悪くなってしまう。すると質のよい睡眠がとれなくなり、さらに疲労をためこむ、という悪循環に陥る。「今日はなんだか運動したくない」という体の声に無理に逆らうのは禁物なのだ。

21:00/飲み会
忘年会、二次会、なるべく参加します
そろそろ忘年会の誘いも来るようになった。飲み会の誘いや二次会の誘いは断らずに参加しよう。
▼【待った!】暴飲暴食を控えればOK

これから年末にかけて、お酒を飲む機会も増える。どのようなことに気をつけたらいいだろうか。

「お酒の飲みすぎが健康によくないのはいうまでもありませんが、生体リズムの点からいえば、やはり夜遅くに飲食することは、自然の摂理に逆らうことになります」と一川教授はいう。食事をすることで体内に取り込まれた糖(グルコース)が一定以上の濃度になると毒性が発生。これが全身の血管を傷つけてしまう。さらに膵臓を酷使することになるので、糖尿病を発症しやすくなる。

「とはいえ、毎晩飲むわけでなく、この時季だけのことならば、神経質になることもないでしょう。上司や同僚など、職場でしか顔を合わせない人と、忘年会などいつもと違う場所で会えば、新たな一面が見つかるかもしれません」(一川教授)

0:00/就寝
寝る前の一杯で熟睡しよう
寝る前にお酒を一杯やると、すぐに眠れる。いびきをかいていたようだが、熟睡できたからだろう。
▼【待った!】アルコールは睡眠の大敵

昼間に蓄積した自律神経の疲れを回復するのが睡眠。質のよい睡眠のためにはアルコールは大敵だ。

「お酒を飲むと寝付きがよくなりますが、それは自律神経を麻痺させているだけ。自律神経が麻痺すると、呼吸の際の空気の通り道である気道周辺の筋肉が弛緩し、狭くなります。これがいびきの原因となるのです」(梶本院長)

いびきをかいているあいだ、自律神経は狭い気道でも必死に一定の呼吸量を確保しようとするため、休む暇がない。せっかく睡眠をとっても、自律神経は十分に疲れを回復できないのだ。

「いびきに心当たりのある人は医療機関で検査・治療を受けるか、もしくは抱き枕などを使って、仰向けでなく横向きに寝てください。気道が確保されて、いびきが軽減されます」(梶本院長)