SCHEDULE:朝編
早起きして仕事、勉強に運動。本当にいい習慣か

7:00/起床
早起きして仕事、マラソンだ
前日の仕事の残りをこなして、10キロのマラソンで汗を流した。朝から充実した時間を過ごしている。
▼【待った!】早朝は「魔の時刻」!

毎朝、耳元で大音量のアラームを鳴らしている人は要注意。

「大きな音でビックリして飛び起きると、交感神経が緊張し、心拍数や血圧が急上昇してしまいます。徐々に音が大きくなるよう設定するか、枕元から離して置きましょう」(梶本院長)

また早朝は人間の体にとって危険な時間帯でもある。

「最も人間がよく亡くなるのがこの未明から早朝にかけての時間帯。同時に出産も多い。太陽の昇り沈みのリズムに影響を受けているのです」(一川教授)

ということは、急に早起きしていきなりマラソンを始めたりするのは危険すぎる行為ということになる。さらに、未明はミスも多発しやすい「魔の時刻」。スリーマイル島やチェルノブイリの原発事故もこの時間帯に起きているのだ。

8:30/通勤
移動時間に英単語を覚える
来月のTOEICに向けて、単語の暗記をした。スキマ時間を使って高得点を目指したい。
▼【待った!】暗記は午後4時からがベスト

朝の通勤時間を語学や資格試験の勉強にあてる人も多い。満員電車のなかでもスマホのアプリなどを使って英単語を暗記しようとしている人をよく見かける。ところが一川教授によれば、暗記に向いているのは朝よりも、むしろ夕方から夜にかけてなのだという。

「被験者にさまざまな問題に取り組んでもらい、その成績を調べた実験があります。その結果、短期記憶や計算能力、注意を必要とするような課題の成績は午後4時から8時頃に最もよくなることがわかりました」

午後4時から8時は、一日のうちで最も体温が高くなり、代謝が盛んになる時間帯。暗記力が高まると同時に、体が最もよく動く時間でもあるので、力仕事や身体運動のスピードが必要とされるような仕事は、この時間帯に行うと効率がいい。

10:00/会議
自信のある提案を最初の議題に
朝イチで企画会議。自信のある企画をまとめた。ぜひ通したいので、最初の議題に設定してもらった。
▼【待った!】「決断疲れ」に持ち込め

一川教授によれば、論理的な判断力は朝10時から午後2時にかけてピークに達する。大事な決断を下すような会議を開くなら、この時間帯に設定するといい。

「通したい提案があるときは、会議が始まった直後は議題にしないほうがいい」というのは梶本院長だ。

「セールスのテクニックにこんなものがあります。まずはお客に些細なことをたくさん決めさせ、そのあとで高額商品を勧めるとよく売れる。なぜなら決断というのはそれだけで疲れる行為。いくつか決断を下して判断力が鈍った頃に高価なものを勧めると、財布の紐がゆるみやすいのです」(梶本院長)

同じように会議出席者も複数の議題を検討したあとは、「決断疲れ」している。通したい提案は会議の終盤に持ち出すのがコツだ。