【A】で○が2個以上【イメージ優先型】
自己顕示欲が強いあなたは、「リッチでオシャレな人と周りに思われたい」という強い願望を持っています。話題のレストランや服・時計、最新機種の端末などでつねに自分を彩っていないと気が済みません。本当はそれらが欲しいわけではなく「これを買えば満足できる」と脳が勘違いしているだけ。見栄の張り合いのもとになるSNSから距離を置き、「自分は自分、人は人」と割り切るようにしましょう。
【B】で○が2個以上【記憶上書型】
同じようなムダづかいを性懲りもなく繰り返すこのタイプ。「呑まされると思っていたんだよな」「やっぱり安物はダメなんだよな」など、自分の行動は間違っていなかったと後から書き換える「後知恵バイアス」という脳のクセがあります。脳が未知の出来事への対処を嫌い、「予測可能だった」と考えたがることによって起こります。過去の買い物の失敗をメモに残すなど、経験を蓄積するのが改善の第一歩です。
【C】で○が2個以上【浪費伝染型】
このタイプの人は、周りに金づかいの荒いタイプが多いです。ムダづかいは伝染することが知られており、エール大学ニコラス・クリスタキス教授は「過食、肥満の人が身近にいると自分も過食、肥満になりやすくなる」という研究結果を明らかにしています。このタイプのムダづかい解決法は、金づかいの荒い友人と距離を置くことです。それが難しい場合には、「今月はムダづかい撲滅運動中だから」と宣言をすることも有効です。
【D】で○が2個以上【大衆同調型】
特にビールが好きではないのに、「とりあえずビール」といってしまう人はこのタイプ。周りと同じ選択をし、安心したいという「バンドワゴン効果」といわれる脳のクセがあります。このタイプの人は、世間の評判に簡単に同調するのはやめるのが得策です。人の意見ではなく、自分がどう思っているかを考えるようにしましょう。他人と意見が食い違ったときこそなぜ自分はそう思ったのかを考えるチャンスです。
【E】で○が2個以上【ニセ金持ち型】
お金を自由に使えるというプチセレブな雰囲気が好きで、毎月なんだかんだで散財してしまうこのタイプ。特徴としては、減っている貯金残高や赤字の家計簿を見ても「なんとかなるさ」「自分だけは大丈夫」と脳が思い込む「正常性バイアス」という作用が働いています。このタイプの場合は、家計簿をつける、具体的な目標を設定することです。目標が達成できないけど買いたいと思ったらそれは正常性バイアスがかかっているので要注意です。
【F】で○が2個以上【ときめき型】
脳内麻薬ドーパミンの暴走を抑制できず、際限なく消費し続けるタイプです。消費すること自体にときめきを感じ、買った後のことには関心はありません。「買い物依存症」になりやすい、最も危険なタイプ。「ネットオークションやスマホアプリをやらない」「通販サイトの会員をやめる」「ウインドーショッピングはしない」など自主規制するのが得策です。「いいな」と思っても3日考えるなど、冷却期間を置くのも効果的です。
チェックテストでは、ムダづかいの危険度と脳のクセを6タイプに分類し、対策をまとめています。6つのうち、もっとも注意しなければいけないのはFの項目で2つ以上該当する「ときめき型」。このタイプに該当する人は、買い物中毒になっている可能性が非常に高いです。その原因になっているのが、脳内麻薬と呼ばれる神経伝達物質「ドーパミン」。好きなもの、欲しいものを目にするとどっと分泌され、脳の報酬系と呼ばれる部分を刺激して高揚感や快感を生み出す効果があります。
ドーパミンは意思をつかさどる脳の前頭葉が活発な人は理性によってその欲望を抑えられますが、そうでない人は快楽に溺れることが知られています。購買意欲の場合、この分泌を抑えないと浪費を続けてしまうことになります。中毒性が高いので、意識的にドーパミンの分泌を抑制する必要があるといえます。該当する人は対処法をぜひ試してみてください。
クセを直し、ムダづかいをやめることができれば、あなたもお金持ちに近づけるはずです。
脳神経外科医
菅原脳神経外科クリニック院長。1970年、埼玉県生まれ。杏林大学医学部卒。脳疾患専門医として、国立国際医療研究センター、北原国際病院に勤務し、2015年菅原脳神経外科クリニックを開院。著書に『そのお金のムダづかい、やめられます』(文響社)など。