「最初にお客様が口にしたことが、一番の購入目的」
こうした丁寧なフォローで再来店を促し、2度目に家族で来店したときは、購入の意思決定をさりげなくサポートする。そのキラーフレーズとなるのが、初回接客時に相手から聞いた言葉だ。
「最初にお客様が口にしたことが、結局は一番の購入目的なのだと思います。ですから『子どもの上達のために購入を考えている』とおっしゃった方なら、その言葉をそのまま使って、『この電子ピアノなら、お子様も上達されますよ』とお伝えする。するとお客様も納得して購入を決められます」
このやりとりでわかるように、吉橋さんは「私のお勧めはこれです」という自分を主語にしたトークはしない。「最終の意思決定をするのは、あくまでお客様本人であることが大事」と考えているからだ。時には、母親は「黒がいい」、子どもは「白がいい」などと意見が分かれてなかなか話がまとまらないこともあるが、その場合も吉橋さんが結論を押し付けることはない。
「私はお客様にたくさん悩んでいただきたいんです。時間をかけて悩むほど、お客様もご自分が選んだ商品に心から納得できるはずですから」
▼日本一のポイント:はじめの一言を覚えておく
ビックカメラ有楽町店楽器コーナー 主任
音楽短期大学卒業後、2011年ビックカメラ入社。以来、有楽町店楽器コーナーを担当。17年度ビックカメラグループ(ビックカメラ・コジマ・ソフマップ)の接客コンテストでグランプリに。