元飴職人がたどり着いた至極のキャラメル ルックスも中身も抜群の甘い宝石箱

初心忘れるべからずの精神

そうして5年前に、念願のキャラメル専門店をオープンした。そのとき前原さんは、ひとつ決心したことがあるという。

「“お金を追わないように”と決めました。自分のつくったものが受け入れられるか不安でしたが、きちんと美味しいものをつくればお客様に喜んでもらえる。そうすれば絶対にお金はついてくると信じてやってきました」

その決意は、軌道にのった今も揺るがない。「きちんと美味しい」を提供するために、決して原価は落とさず、添加物に頼らず、吟味した上質な素材を使い、店に併設の工房で一から手づくりし続けている。ぶれない価値がある。だからこそ、めまぐるしく変わる世間のスイーツブームをよそに、新しい東京土産として着実に名前を広めつつあるのだろう。

心に留まるパッケージデザイン

店は、若者に人気のキャットストリートと呼ばれる通りを脇に入った場所にある。20～40代の女性客、外国人観光客がひっきりなしに出入りして賑やかだが、アンティーク調にまとめられた店内は落ち着いた雰囲気なので、スーツ姿でも臆することなく入店できる。

ギフト用の箱詰めは全4種を用意。一番小さなタイプは、華奢な細長い箱に一輪の薔薇のスタンプを押した可憐なデザイン。女性へ贈れば、間違いなく喜んでもらえる。確実に株も上がる。ほか3種は大きさ違いのパッケージで、清潔感ある白い箱が美しい。落ち着いた印象があるため、ビジネス手土産としての需要も高く、とある大企業の社長もよく利用しているという。

バラ売りもしており、1個から購入可。気になるフレーバーも一緒に買い求め、まずは自分の舌で味わってみるといいだろう。実感を込めて「美味しいのでぜひ」と相手に手渡したほうが、誠意のこもった贈り物になるはずだ。