家電以外の事業に参入する必然性は薄いのに
そもそも、ヤマダが家電以外の事業に参入する必然性も薄い。
家電業界は人口減少などで先細りすると見られていたが、ここ数年は技術革新が進み、白物家電中心に優れた商品が多く出てきている。そのことが買い替え需要を呼び込み、家電販売は非常に好調だ。AIスピーカーなどの新たな商品も開発されており、家電量販店は都心でしっかり家電を売れば、利益が出る時代になっている。
まずは郊外店の戦略見直し、住宅事業の縮小、そして本業である家電販売によりリソースを振り向けていくのがヤマダ復活の第一歩だろう。
楽天証券経済研究所所長 兼 チーフ・ストラテジスト
1961年生まれ。84年、慶応義塾大学経済学部卒業。住友銀行、住銀投資顧問を経て、99年から大和住銀投信投資顧問。2004年11月に日本証券アナリスト協会の企業会計研究会委員に就任。07年には企業会計基準委員会の専門委員を務めた。14年2月から現職。