誰に対しても「敬語」「さん付け」をすべし

相手に対して、いちいち横柄な口調だったり、命令調だったりするのは、おのれの自信のなさを示している。また、どうでもいい自尊心とプライドを持っていることの表れでもある。

そんな余計なプライドを持つことにより、「イヤなヤツ」「横柄なヤツ」「言葉づかいがなってないヤツ」「高圧的なヤツ」→「つまりクソ野郎」と周囲に思われてしまうのは大損である。人格や仕事の能力が、たかが言葉づかいだけで誤解されてしまう場合もあるのだから。そう思われたくないならば、丁寧にしゃべることだ。

さすがに私も大学時代の後輩と、会社員時代(4年間しかないが)を一緒に過ごした後輩に対しては呼び捨て、タメ語だが、退職後に入社してきた若手と接するにあたっては「敬語」「さん付け」を徹底している。もはや彼らは身内ではないのだから。同じ会社に属する身内だけでなく、社外の相手であっても、自分より年下であれば「○○君」などと呼ぶ人もいるが、私にはできない。

丁寧な言葉づかいを心がけるだけで、「あの人は腰が低い」「付き合いやすい人」という評価が得られる。出入り業者として接点のある会社に20歳年下の新入社員が入ってきても、この姿勢は変えない。ビジネスや人間関係を円滑にしたいのなら、まずは誰に対しても「敬語」「さん付け」を徹底しよう。それさえ押さえておけば、大きな間違いは起こらない。しかも、努力は不要であり、効果は望外に大きいので、おすすめである。

【まとめ】今回の「俺がもっとも言いたいこと」
・誰に対しても「敬語」「さん付け」を実践するだけで、ビジネスや人間関係は格段に円滑になる。
・つまらない自尊心やプライドのせいで、相手を値踏みしたり、マウンティングしたりするのは実に愚かだ。
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)
1973年東京都生まれ。ネットニュース編集者/PRプランナー。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライター、「TVブロス」編集者などを経て現在に至る。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』『ウェブでメシを食うということ』『バカざんまい』など多数。
(写真=iStock.com)
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