練習の仕上げはミット打ち! 本気でキックを打ち込むのが気分爽快。

一通り技を学んだ後は、すべての技を使った「ミット打ち」。先生がランダムに指示する技を続けて打っていく。「フック」と言われて、アッパーを打ちそうになったり、「アッパー」と言われて、「え、なんだっけそれ」と一瞬考えたり。必死である。でも、続けてパンチやキックを打っていると、だんだん“できている”錯覚に陥ってくるもの。リング上にいる気分になってきた。なんだか、爽快……! 最後にパンチの連打をして、今日のレッスンを終えた(実はここで腕がつりそうになった)。あっという間の1時間だった。

「このクラスでは基本を学びますが、初心者だけでなく上級者も出ます。というのも、ちゃんとしたパンチを打てるようになるには、10年、15年の歳月が必要なんです。プロでも常に基本に戻らないと強くなれないんですね。また、ちょっと戦いたくなったら、実践的なスパーリングクラスにも参加できますよ」(田島剛さん)

思い切り蹴るのって意外と楽しいかも!

ちなみに、ジムに来る女性は30代から40代が中心で、スポーツ自体初めてという人もいるそう。主な目的はストレス解消とダイエット、護身術習得の人が多い。「きちんと正しい身体の動かし方をすれば、きれいに筋肉が付き、ムキムキにもなりません」というから、女性にはうれしい。

今回体験して何よりも楽しかったのは、「普段やってはいけないとされている行為」をルールにのっとって思う存分できたということかもしれない。帰り際、人を思いっきりキックしたのは何年ぶりだったっけか……とふと考えてしまった。もしや小学生のとき、掃除をサボる男子に蹴りを入れたのが最後?

普段やらない行為を思いっきりできる爽快感は新しい感覚だった。しかも、キックボクシングは筋トレと違い、護身術という有益な技術まで身に付く。強くなるって楽しい。パンチとキックができる女ってかっこいい。ちょっと目覚めちゃった……かも。

【教室情報】
ヨハンボススポーツスクール
東京都港区赤坂8丁目11-19 エクレール乃木坂B1F 
TEL:03-5771-1299
http://www.vosgym.jp/
宇佐美里圭(うさみ・りか)
1979年、東京都生まれ。ライター、編集者。東京外国語大学スペイン語学科卒。在学中、ペルーにて旅行会社勤務、バルセロナ・ポンペウファブラ大学写真専攻修了。中南米音楽誌、「週刊朝日」編集部、「アサヒカメラ」編集部などで働く。朝日新聞デジタルで、「島めぐり」、「おいしいゲストハウス」、「東京の外国ごはん」、「ワインとごはんの方程式」等を連載中。ウートピにてフォトエッセイ連載「Viva Photodays!」を執筆。旅とワインが好き。心はラテン、働き方はまだ日本人
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